第九番 興福寺・南円堂 第五番 紫雲山・葛井寺

―――― 2004615日(火)、16日(水) ――――

奈良から藤井寺へ、そして加太泊り

今回は、奈良市写真美術館で開催されている写真家 前田晃(息子)・真三() 父子の“『花合わせ』息子から父への手紙”作品展を見に行こうということで出かけた。そのついでにということで南円堂と葛井寺(ふじいてら)を参拝することにした。それなら日帰りはせずに和歌山まで足を伸ばし3月にも行った加太休暇村で宿泊し、翌日は和歌山城を観光することにした。

奈良市写真美術館の前田晃・真三の作品はいろんな季節の野山での草花が柔らかく表現されていて、しばし美しい花の表情に浸ることができた。合わせて観たのが入江泰吉の古都奈良の作品数点、「二月堂の裏参道、公園での鹿の親子」などはいつまでも飽きのこない情景が感じられた。

写真館を出てそのすぐ近くの新薬師寺を参拝。拝観料は600円。重要文化財の東門から入ってすぐ本堂(国宝)があるだけで、境内は手狭、寺域も狭く往時をしのぶには寂しい限りだった。600円の値打ちは感じられない。

次は興福寺・南円堂へ(本尊:不空羂索観世音菩薩)。車を興福寺の駐車場にとめて何回となく歩いた五重塔の下では修学旅行の中学生と遭遇。生徒集団の靴から湧き上がる砂埃をかぶりながら五重塔の写真を1枚。そして、中金堂跡礎石復元整備工事中の写真を金網越しに1枚、そのすぐ向こうは南円堂。参拝の後、朱印をいただいて南円堂南階段を降り猿澤池へ、この南円堂南階段、猿澤池は4歳まで住んでいた家からすぐ近くで、いつもこのあたりで遊んでいた頃の記憶がうっすらとよみがえる。
(興福寺・五重塔)
(興福寺・南円堂の階段)  
(興福寺・金堂跡)
南円堂を後にして、阪奈道路、大阪外環状を通り藤井寺へ。駐車場から古い町並みの車が通れば脇に身体をすくめて退避する狭い道を5分ほど歩いて、葛井寺(ふじいでら)南大門へ到着。葛井寺(本尊:十一面千手千眼観世音菩薩)は古来に渡来した百済王の子孫の葛井(ふじい)氏の氏寺だったともいわれているので、当時の河内王朝との結びつきもあったのだろうか。威風堂々とした南大門、手入れの行き届いた境内を通って本堂で参拝と朱印をもらう。境内では絵描きさんがこのお寺の絵を売っていたのが庶民的なお寺の印象を受ける



葛井寺・南大門)

今回の三十三ヶ所めぐりのお寺はこれでおしまいにして、宿泊地の和歌山・加太へ向かう。加太の休暇村はこれで2回目の宿泊。ホテルおすすめの「敬老パック・ゴールドプランで加太夕膳」をゆっくりと食事。

葛井寺・境内)

和歌山城観光で二日目をすごす

朝風呂のあとバイキングでの朝食を終え、1030頃ホテルを出発、紀伊徳川十四代の和歌山城へ。天守閣へ登り展示品をじっくりとを観て回り、そのあと城内を散策。二の丸跡の広場から西の丸庭園へ歩くと、途中が「鶴之渓(つるのたに)」と呼ばれる石垣の城壁と土塀に囲まれた木隠れの落ち着きのある道を通る。雰囲気に浸りながら名勝西の丸庭園を木々の香りを吸いながら散歩して、そのあと護国神社に参拝して城をあとにした。約3時間のお城見物、お昼もとっくに過ぎしまっていた。


(和歌山城・鶴の溪)

(和歌山城・西ノ丸庭園)

お城を出てから新和歌の浦をドライブ。観光地の魅力がなくなったのかめっきりとさびれた感じで、食事するところもなくそのままぐるぐるとドライブして片男波へ来てしまった。ここは海水浴場らしいところで、道沿いで見つけた若者が入るようなレストランで店の特製カレーパン(これがほんに美味しかった)とソフトクリームを食べて一路帰路につく。