――――2006年10月4日(水)、5日(木)――――
宇治でのんびり過し翌日は長浜を見て歩く
 今回の旅は、西国第十一番札所・上醍醐寺の計画だった。1日目は宇治で過して近江八幡・国民休暇村で宿泊、2日目に京都・上醍醐寺を予定していた。結果的には2日目は京都地方が雨だったので、計画変更で長浜になった。 
 【1日目】の朝は一寸遅い目の出発の9:30。名張から伊賀上野へ出て国道163号を木津へ、そこから国道24号で宇治へ
平等院南門前の駐車場に11:20頃到着。車を降りたら甘栗売りの屋台のおじさんが近づいてきて、「宇治イラストマップ」をくれて『平等院を参詣する前に宇治川北岸の専心院と興聖寺を先ずは見ておいで。そして帰りに栗を買ってちょうだい』とおっしゃる。おまけに私たち二人に栗を一つずつくれた。
勧めに従うことにして、宇治川の中の島を歩いて朝霧橋を渡ると、川に流れの中に何かが見えるではないか。よく見ると、白鷺がじっと流れの中に立っているだ。魚を待っているのだろう。身動き一つしない。

(宇治川の流れの中に立つ白鷺)
 朝霧橋を渡ると目の前は「宇治神社」。橋のたもとに源氏物語のモニュメントが建っていた。宇治は源氏物語に限らず歴史上のいろんな舞台となっている。想像をめぐらしながら「宇治神社」の鳥居をくぐった。宇治神社を参拝したあと、その上にある世界遺産に登録された「宇治上神社」を参拝すると、結婚式をしたすぐの新郎新婦と境内で出合った
  

(源氏物語・浮舟と匂宮(にうのみや)…朝霧橋たもと
浮舟と匂宮が小舟で漕ぎ出す情景
【宇治神社】
祭神 菟道稚郎子命

        (うじのわきのいらつこのみこと)

      
…第15代応神天皇の皇子

【宇治上神社】(世界遺産)
祭神 菟道稚郎子命
     
(うじのわきのいらつこのみこと)
    応神天皇
    仁徳天皇


                 【けやき】
       樹齢 300年 高さ 27m 幹周 4.8m
 宇治上神社から宇治川畔に戻ると昼過ぎになった。「朝日焼」の看板があり陶芸作品の展示がしてあるレストラン朝日園で昼食。食事のあと再び宇治川沿いに上流の方へ歩くこと1分、関西電力宇治発電所から大量に排出された水が宇治川に流れ込んでいる。川岸では鮎つりを楽しむ釣り人が多く見られ、流れには白鷺もあちこちに立って水面をうかがっている。白鷺と人間のどちらが先に鮎を仕留めるかの競争をしているようだった
 美しい宇治川の流れを眺めながら、「興聖寺(こうしょうじ)の入口に到着。 参道の「琴坂」は見事な楓の枝に覆われた隧道という感じだった。紅葉には早すぎた時期だったが、もう一度盛りの時期には是非とも訪れたいと思った

(琴坂)興聖寺(こうしょうじ)参道…楓に覆われた美しい参道

(興聖寺・中門)

(興聖寺・庭)
 興聖寺の美しい参道を再び下って、宇治川沿いを下流へ戻ってきた。昼食をした朝日園の少し山側の坂道を上がると「恵心院(えしんいん)へ着く。恵心院の「恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)」は『源氏物語宇治十帖にあるヒロイン浮舟が宇治川に入水自殺したのを助けて新たな道を歩ませた』僧都とのこと
(恵心院」・門)
 もと来た道を戻って朝霧橋、中の島を通って宇治川南岸へ出る。次はいよいよ1日目のメイン観光目的の「平等院」。表門から入って庭園を抜けると「鳳凰堂」が見える。ここはいままで何度も訪れているが、いつ見ても美しい庭と調和の取れた鳳凰堂は心を豊にしてくれる。ここも世界遺産になっているが、日本の誇れる史跡の一つであることは間違いない。院内の「鳳翔館」を拝観。本物の鳳凰を目の当たりに見ることができたし、また、本尊阿弥陀如来の光背の当時の製作過程の様子も詳しく見ることができたことは収穫だった
(平等院・表門)

(鳳凰)

(平等院・鳳凰堂)

(平等院・庭園)
 宇治で14時過ぎまでのんびりと過し近江八幡へ向かった。途中、野洲にある御上神社参拝と三上山を拝んで、今夜のホテル国民休暇村近江八幡へ。温泉にゆっくりと入って、夕食はホテル特製「はちまん会席」で1日目は終了

(長浜城歴史博物館)
【2日目】 やはり天気予報通り京都方面は雨模様。上醍醐寺は険しい山道を登っての参拝になるので、予定を変更して長浜に向かうことにした。ホテルを10:30頃出発、湖北方面に進んでいくとこちらはむしろ良い天気
 長浜では、2006年NHK大河ドラマ「功名が辻」ゆかりの地にちなんで、『北近江一豊・千代博覧会』が開催されていた。先ずは、「長浜城歴史博物館」で博覧会3会場セット入場券\1,000を2枚購入して「一豊・千代が生きた北近江歴史展」へ。湖北地方の歴史と北近江の戦国史、歴史資料や美術工芸品を興味深く見聞できた
 2つ目と3つ目の博覧会会場へは、JR東海道本線長浜駅をこえて長浜市街へ歩いた。長浜も以前に訪れているので勝手は分かっている。「曳山博物館」では「一豊・千代の物語と映像展」だ。ここでは江戸時代以来の「長浜曳山祭」の町衆の状況や展示されている立派な山車の素晴らしさには感嘆。また、いまも続く曳山で活躍する子供たちの厳しい稽古風景のビデオに感激。そして、一豊と千代の物語映画を観賞。会場を出て近くのレストランで昼食
 3つ目の会場は「長浜御坊大通寺」での「書とガラスの戦国夫婦物語」。大通寺ではお寺の中の座敷を拝観できた。見るもの見るものが重要文化財に指定されているもので上段の間のある書院や大広間などの、見事な襖絵や屏風はいずれもが格調の高いものばかりで、このお寺の格式の高さには驚嘆するばかりだった

(大通寺・楼門)

(大通寺・本堂)
              (大通寺・含山軒庭園からの伊吹山借景)

3つの会場を見終えて長浜の街なかを散策。みやげ物店や地元産品店を見て歩きながら、かばん店では妻は店オリジナルの近くのレストランで昼食。有名な黒壁ガラス館では小さなガラス花瓶を購入。街から駐車場まで20分ほど歩いて、時間を見るとは17:00少し前だった
 長浜を後にして帰路につく
 名張帰着は20:00前。お疲れさんでした。